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「N高校は入試がないからまともな生徒はいないだろう」に反論する

2022-05-14

N高校はいまやきわめて有名になっており,マスメディアだけでなく,個人のウェブサイト(ここまでN高を個人サイトでとりあげているのは,私くらいかもしれないが)やSNS,動画サイトなどで取り上げられている。

もちろん,そのなかには事実にもとづかないものや,誤っているものも多い。そのなかでもひんぱんに目にする誤りは,「入試がないから,まともな生徒がいないはずだ」というものだ。


角川ドワンゴ学園の職員の方へ

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入試は人格をはかるものではない

まず重要なこと。入試では人格をはかれないし,そのためのものでもない。学力試験だけでなく,面接をしても志望理由書を書かせても,人格のよしあしなどわかるわけがない。

そして,もともと入試というのは意欲をはかるためのものだ。入学希望者全員を入れたら教室が満員電車みたいになってしまうので,より強い意欲を示してくれた人から順に入れよう,というものである。

N高校およびS高校の場合,生徒ひとりに割く物理的資源は,全日制とくらべてきわめて少ない。年に一回か二回のスクーリングでひとつの席をうめるとか,学園のサーバーで一ギガバイトのストレージをついやすとか,そういった程度だ。指導や添削,面談をする教職員にしても,すべてオンラインや分業制などで効率的にこなせるため,生徒ひとりに係る負担は少ない。

学力と人格はべつの次元

つぎに重要なのが,学力が優れていることと,人間として尊敬しうることはまったくちがう話だ,ということだ。

人間的に優れている運転手と,早く着く運転手は違う(重なる場合も少なくはないだろうが)。それと同じこと。人格が優れていれば道が勝手に空いてくれるとか,天使が最短ルートに誘導してくれるとかいったことは,おとぎ話の世界にしかない。

学力だって,いつどんな要因で変動するかわからない。努力すれば頭がよくなる,といった単純な話ではない。遺伝的あるいは環境的な影響を受けるかもしれないし,すべての努力を勉学に向けることがゆるされなかった(家庭環境,あるいは,政治,経済,宗教などにかかわる要因)場合もある。

学力が重要でない,といっているのではない。乗り物だって,速さイコール総合満足度,というわけにはいかない。乗り心地や運賃など,さまざまな要素がかかわってくる。人生だって同じだ。

学力が高くても,その高い学力を使って狡猾な手口で悪をなしたり,それに加担したりする人もいる。たとえば大手SNS企業は,人を依存症にさせて広告をたくさん見せることによって利益を得ている。そういった手口を思いつくのも,依存症にさせる方法を研究したり実装したりするのも,高い学力が欠かせない。

じっさいに,「まともでない生徒」は少ない

学園内部に,生徒としているからわかる。「まともでない」(多分,人を傷つけて楽しんだり,犯罪や非行をしたり,といったことだろう)生徒というのは,ほとんど見かけない。いや,スクーリングに参加しても見つけることができない。Slackのなかから暴言を探し出すのは,一般に開放されたインターネットのなかから探すよりずっと難しい。大手検索兼詮索エンジンのGoogleは(おそらく)私向けに,性的少数者への差別発言をあえて検索結果に垂れ流した(「DOWN WITH BIG TECH!」と日記帳に書きなぐりたくなった!)が,N高校およびS高校のSlackでは,そんなことはない。

私の親しい学友は,任意団体を立ち上げて発信活動をしたり,自転車で日本一周したり,危険物取扱者やアマチュア無線の免許をとったり,小説を出版社から出したりしている。私だって,ある程度の品質のブログ記事を書いている自信はあるし,GNU/Linuxをいじったり,小説を書いたりしている。私はともかくとして,ほかの生徒は「まともでない」わけがない。

もちろん,理論上は,N高校にも悪い人はいる,ということになる。しかしそれは,長野県に悪い人がいる,という程度の話でしかない。


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