2022-08-29 第一版
スマートフォンとデスクトップコンピュータのあいだで,あるいは,自宅と会社や学校のコンピュータとのあいだで,予定情報を同期させたいことがありますよね?
いうまでもなく,予定は重要な情報です。個人や団体のこれからの行動をあらわします。この大事な情報を,どうやって同期させますか?
間違ってもGo*gleカレンダーなど使ってはいけません。ジャーナリストだったら命に危険がおよぶかもしれません。仕事の予定を書き込もうものなら,守秘義務違反で解雇されても文句はいえません。Go*gleはあなたの予定情報をほしいままにできるからです。
Disrootなどの非営利団体が提供する予定同期サービスはどうでしょうか。たしかにGo*gleカレンダーよりはましですが,個人的な予定やら取材計画やらをぜんぶ預けるのは気が引けるでしょう。そこで私は,特定のサーバを信頼することなく予定を同期する方法をお伝えします。
Syncthingという,中央サーバー不要の同期ソフトウェアを利用します。これは自由ソフトウェアです。
そして,予定情報をファイルに書き込んで,Syncthingで同期させるのです。予定ファイルは,iCalという形式です。
じつは,非営利カレンダー同期サービスや恐怖のGo*gleカレンダーも,CalDavといって,ネットワーク経由でiCalファイルを読み書きさせることによって同期しているのです。今回はこれをSyncthingでやろう,ということです。
ローカルのiCalファイルを読み書きできる予定管理ソフトウェアが必要です。GNU/Linuxの場合,Orageが正常に動作することを確認しています。Korganizerも試しましたが,私の環境ではiCalファイルを読み込めませんでした。
ReplicantまたはAndroidの場合,ICSx5というアプリケーションでiCalファイルを読み込めます。DecSync CCというアプリケーションでは読み書きでき,つまり完全に同期できるとのことです。どうやらDecSync CCでフォルダとファイルを生成しなくてはならないらしく,あらかじめ同期するファイルを決めてしまっていたため,断念しました。
この記事で紹介したソフトウェアやツールを利用した結果については,いっさい責任を負うことができません。亡命や取材など,きわめて高い信頼性を必要とする場合には,ご自身で調査することを強く推奨します。
著作権者:笠井闘志
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