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翻案および再配布

【翻訳】「VPNサービス」を使うべきでない理由


権利情報

原著作物

言語:英語
題名:Don't use VPN services.
著作者:Sven Slootweg
URLおよび閲覧日時:https://gist.github.com/joepie91/5a9909939e6ce7d09e29 2022-05-26 22:03 JST
ライセンス:CC0(著作権放棄)

この翻案物

翻案者:笠井闘志
翻案の概要:英語から日本語への翻訳および注釈の付加
ライセンス:クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際

著作権の尊重にかかる声明

私は,原著作物の著作権者がさだめた条件を遵守し,翻案およびこの翻案物を配布する。

免責事項

私は原著作物にかかる著作権を尊重することにのみ責任を負い,それ以外については,明示的にも暗黙にも,いっさい責任を負わない。

誤訳については,私の公開している連絡先から指摘を受けつける。ただし,学業や進路活動のため,修正に時間をさけない場合があることをご了承願いたい。可能であれば,原著作物から翻訳しなおすか,この翻案物を修正し頒布いただきたい。


本文

やめなさい。真面目に。

あなたが,どの「VPNサービス」を使うべきかと聞いているなら,これが答えだ。

注:ここでいう「VPNサービス」は,VPN(Virtual Private Network:仮想私有網)をほんらいの目的──会社や非営利団体,自宅などの内部回線に遠隔地から接続するため──に使うことを意味しない。聞こえのいいだけのプロキシとして使われる「VPNサービス」のことを述べているのだ。

なぜだめなのだね?

「VPNサービス」は聞こえのいいだけのプロキシ(訳注:英語で「代理」の意。ここでは,自分の代わりに通信してくれるコンピュータのこと)に過ぎないからだ。「VPNサービス」業者は,あなたの通信をすべて見ることができ,そして,あなたの通信情報をほしいままにできるのだ──もちろん,ログをとることも。

私の使っている業者は,ログをとらないじゃないか!

それをたしかめるすべはない。悪意ある業者だって,「ログとらないぞ」と主張できる。早い話,すべての業者がログをとると想定するのが,いちばん安全なのだ。

覚えておきたまえ──「VPNサービス」業者がログをとるいちばんの理由は,法的なもめごとにまきこまれたとき(訳注:VPNをとおして違法な通信がなされた場合など)に役立つからだ。月あたりたった10ドル(訳注:約1,200円)の利用料金では弁護士のコーヒー代さえまかなえず,利用者を売りわたすしかないのだ。

ログをとったり漏らしたりすれば,業者なんかつぶれるはずだ!

HideMyAss(訳注:「VPNサービス」業者の名前)がつぶれたら,考えを変えよう。その業者は数年前に利用者を裏切り,そのことを公表さえした。しかしいまでも,人々は裏切り事件のことを意にも留めず,HideMyAssを使っている。

訳注:原著作物からリンクしている記事によると,HideMyAssは,LulzSec(おそらくハッカー集団)メンバーの個人特定につながる情報を捜査当局に引きわたしたとのこと。

だが,私は匿名で支払ったぞ──暗号通貨や現金でな!

それがどうしたというのだ? あなたは自分のIPアドレスでアクセスし,業者はそれをログにのこすことができる。

もっとセキュリティが欲しいの!

「VPNサービス」はセキュリティをもたらさない。聞こえのいいプロキシにすぎないのだから。

もっとプライバシーが欲しいの!

「VPNサービス」は,後述するいくつかの例外をのぞいて,プライバシーをもたらさない。プロキシに過ぎないのだ。通信をのぞき見たいなら,情報が「VPNサービス」から出るときなどに盗みとれば済む

中略

訳注: "But I want more encryption!" および "But I want to confuse trackers by sharing an IP address!" のセクションについては,技術的な用語が多く,私の技能では翻訳しかねる。原文を参照するか,ほかの方の翻訳をお探しいただきたい。

では,どんなときに「VPNサービス」を使えばいいの?

下記の場面だけ,「VPNサービス」の利用が適切と思われる:

  1. 公共の無線LANや信頼できないインターネット接続業者を使い,それで仕事や調べものをしたいとき。
  2. 政府や諜報機関以外から,IPアドレスを隠したいとき。つまり,各種サービスやSNSのアクセス制限を回避したいとき。

二番目の例では,IPアドレスを変えて民間のシステムをだますことができます。

しかし,忘れるなかれ──上にあげた事例でも,「VPNサービス」業者はあなたの通信をほしいままにできることを。

訳注:翻案者は,上記いずれの場面でも,「VPNサービス」を使用していない。前者では,TorとSSLを併用するか,信頼できる無線LANを選ぶ。後者はそもそも遭遇することがない。

で,どういうこと?

もしほんとうにVPNを必要としていて,「VPNサービス」の限界を理解したなら,コンピュータを用意してVPNサーバーを走らせることだ。自宅サーバーを使っても,VPS(仮想私有サーバー)を借りてもいい。Streisand(訳注:おそらく,VPNサーバーを構築するためのソフトウェア)などを使うか,あるいは手動で構築しよう。Wireguardを使うことをおすすめする。「VPNサービス」を使うことは奨めないが,LowEndTalk(訳注:原文ではリンクが貼られているが,どのようなサイトかわからないので,ここではリンクしない)。

訳注:自分でVPNサーバーを構築して利用する場合,無線LANアクセスポイントや接続先に,自分のサーバーのIPアドレスが知られてしまう。たとえば,公衆無線LANを利用したときに,なんの通信をしているかはわからなくても,あなたが接続していることは,アクセスポイントに知られてしまう。

中略

"But how is that any better than a VPN service?" のセクションについては,技術的な用語が多く,私の技能では翻訳しかねる。原文を参照するか,ほかの方の翻訳をお探しいただきたい。

じゃあ,「VPNサービス」は終わりなの? なんで「VPNサービス」があるの?

カネのためだよ。カネ。

訳注:この部分については,技術的な用語が多く,私の技能では翻訳しかねる。原文を参照するか,ほかの方の翻訳をお探しいただきたい。

「VPNサービス」業者は,人々のためではなく,みずからの利益のために存在しているのだ。